ミトラ教はやわかり

　

 

　

　

目次

友道の四大ポイント

 

各ポイントの説明

 

補足解説

友道の秘儀

 

参考

１．祝祭

２．信仰綱領

３．背景

４．書籍

 

 

 

友道の輪がつくりだす、新しいつながり、

新しい共同体、

新しい地球！

 

 

友道の四大ポイント

神の友として生き、

 

�@万人が等しく対等になる。⇒絶対平等・万物一体

�A友道の力で自分を変え、社会を変える。⇒白陽大同

�B日々成長、日々研鑽〔けんさん〕し、神々とともに育つ。⇒七大天使

�C一人ひとりが神、生類、地球に対して責任を持って、自由に生きる。⇒孔雀時代の課題

 

 

孔雀の旗　一人は万人のために、万人は一人のために！

 

 

 

各ポイントの説明

 

 

１．絶対平等・万物一体　ぜったいびょうどう・ばんぶついったい　arke

 生命は神聖である。万物は互いに手を取り合って踊りながら流れている。わたしたちは、踊りながら前進する生命潮流の一部である。

 人間はみな神とつながっており、神の前に平等である。それゆえ、人間が人間を差別することは許されず、つねに正義と平等を保たなければならない。

 人の上に人はなく、人の下に人はいない。人種、民族、性別、職業、地位など、あらゆる差別をなくさねばならない。

 

キーワード

神の友、明性（光のかけら）、終末の彫像、上昇転生〔じょうしょうてんしょう〕、真空家郷〔しんくうかごう〕、万象帰一〔ばんしょうきいつ〕

 

 

２．白陽大同　はくようだいどう　shahrivar(samandeh)

 神の思いを実現させるのは、選ばれた個人ではなく、全人類の集合体、すなわち、ぶどうの房〔ふさ〕である。

 全人類を対話によってつなぐことで、調和した平和な社会が生まれる。豊かな暮らし、たしかな未来が生まれる。

 互いに助け合うことで、生きていてよかった、人生は楽しかったと言えるようになる。そう言える社会にする。

 

キーワード

　千年王国、愛の華、心の教え、単伝〔たんでん〕から普伝〔ふでん〕へ、白陽会〔はくようえ〕、新しい縁起、聖戦士

 

 

３．七大天使　ななだいてんし　haftan

 七大天使の加護を得ることで、災厄を避け、幸運を呼び込むことができる。

 七大天使の真名を唱えることで、秘儀を究めることができる。生命潮流の進化（神化）により深く貢献することができるようになる。

 七大天使を知ることで、天使七星学（秘教占星学）、タロット、易などを究め、運命の秘密を知り、より豊かで幸福な人生を送ることができるようになる。

 

キーワード

　七大天使の真名、聖七文字、七曜、七宝、ミトラの秘儀（七位階の秘儀）、冥府下り、上昇転生

 

 

４．孔雀時代の課題　くじゃくじだいのけいじ　qewl-e tawus (shahrivar)

 一人ひとりが自由意志を育て、自主・自決できるようになること。

 一人ひとりが神、生類（全生物）、地球に対して責任を持って生きること。

 一人ひとりが他者と対話する方法を身に付け、自由意志の壮大な調和（統一性）を実現させること。すなわち神聖民主主義を実現すること。

 以上の基礎の上に立って、画一的な制約をなくし、万人が自分の天命に従って自由に生きられるようにすること。

 

キーワード

　アザゼル復活、アザゼルの秘密伝承、アザゼルの啓示、ミトラとプルートーの冥府での密約、ライオン神の伝説、新しい三位一体、自由意志、天命〔てんめい〕、天道〔てんどう〕、誠〔まこと〕

 

付則

 民主主義は統治の形態ではなく、意識の状態である。自由な意識の調和的な集合体をつくりだすわざ、それが神聖民主主義である。

 社会というものは、ともに生きるための方法を見出そうという対話の結果である。一人の指導者、一つの宗教、一つの聖書を万人が信じることで、その統一性が生まれるわけではない。

 

参考

　自由意志については、付録「友道の秘儀」を参照のこと。

 

 

 

補足解説．友道の秘儀

 

 

１．友道の秘儀とは

　ミトラの教えの根本は、友道である。友道においては、友愛、友情、愛、約束、誠、赦〔ゆる〕しというものが、きわめて重要な要素になる。友道の秘儀とは、神とアザゼルの友情に関する奥義のことである。なぜなら、神とアザゼルの友情は、悪と自由意志の問題に深く関わっているからである。以下に、友道の秘儀のポイントを説明する。

 

 

２．アザゼルとは

　アザゼルは、人類の多くから誤解されてきたが、実際は自由意志の天使であり、自らも成長の途上にいる。

 

 

３．自由意志とは

�@自由意志とは、個の持つ究極の特性である。自由意志がなければ、個は全体の一部に過ぎない。

�Aしかし、自由意志ほどやっかいなものはない。我性に染まりやすく、コントロールすればつぶれてしまい、放任すれば堕落するからである。

�B我性に染まった自由意志は、友愛を破壊し、個と全体の両方を破損させる。個と全体の関係を歪ませ、敵意を生じさせる。

�C天上の叛乱、原人の殺害、アダムとエヴァの堕落などはすべて、自由意志を育てるために払った高価な対価である。（神は自由意志を育てるためには、高価な犠牲が必要なことを知っていた。）

 

 

４．人類の未熟さ

　アザゼルが悪魔視されてしまった原因は、人類の未熟さにある。

 

�@ユダヤ教徒、キリスト教徒、ゾロアスター教徒、イスラーム教徒は、サタナエル／アーリマン／アザゼルの神話を通して悪を理解しようとした。しかし、教義が硬直化し、神話の成長が止まってしまったため、悪についての理解も素朴な段階で止まってしまった。サタナエル／アーリマン／アザゼルを悪魔として断罪したところで神話の発達を止めてしまったため、ユダヤ教、キリスト教、ゾロアスター教、イスラーム教は、赦〔ゆる〕しを知らない宗教になってしまった。現在のパレスチナ紛争が解決しないのは、彼らが赦しの神話を知らないからである。

 

�A西洋と西アジアでは、権力者は自分を神になぞらえ、自分に逆らうとどうなるかを人々に示すために、サタナエル／アーリマン／アザゼル堕天の神話を利用した。この政治的な利用が神話の発達を阻害し、神話の硬直化・ドグマ化を決定的なものにした。

 

�Bヒンドゥー教、仏教、道教は、大幻影の教義と因果応報の法則に満足し、サタナエルや悪の問題にあまり関心を示さなかった。これらの宗教は、人々を温和にしたが、自由意志を発達させなかった。そのため、西洋列強に植民地化されてしまった。

 

 

５．ミトラ神話の発達

　ミトラ教は、神話の発達を止めなかった。サタナエル／アーリマン／アザゼルを悪魔として断罪したところで終わらず、そこから先に進み、サタナエル／アーリマン／アザゼル復活の神話を発達させた。この発達は、自由意志と悪についての哲学的な理解の深まりを反映し、つぎのようなものになった。

 

アザゼルは第一の天使として全天使を指揮していたが、神に等しい者になろうとして叛乱〔はんらん〕を起こした。原人を殺害して明性を物質の中に撒き散らしただけでなく、アダムとエヴァをも堕落させ、人類を力で支配した。しかし、神が冥府に下って説得すると、アザゼルは神との友情を復活させた。このとき、アザゼルは神と密約をかわし、すべての悪を支配し、正道に引き戻す仕事を引き受けた。しかし、神も七大天使も、この秘密使命を人類に明かすことはなかった。そのため、アザゼルは悪魔と言う汚名を着せられ、人類から誤解された。長い間アザゼルは神の敵という汚名に耐えなければならなかったが、人類が十分に成長したため、ついに孔雀の時代が始まり、この誤解が解かれた。アザゼルは自由意志の教えを下し、その監督者になった。

 

 

６．孔雀の教え

孔雀時代の課題は、自由意志を育て、単伝から普伝へと移行させることである。この社会的な表れが民主主義である。なぜなら、あらゆる人が自由意志を行使して人類の意思決定に参加することの社会的な表れが民主主義だからである。しかし、民主化には多くの摩擦（聖戦）を伴う。実際、世界各地で起きている民主化要求にはみな、摩擦が伴っている。摩擦は大きく分けて二つある。

 

第一の摩擦

　自由意志の行使を独占しようとする旧い体制（独裁政権）との戦い。

 

第二の摩擦

自由意志の解放とともに生じる格差と差別に対する戦い。

 

民主化を進める一方で、いっそう激しくなる格差や差別に対する戦いを始めること、これが孔雀時代の聖戦である。

 

 

 

参考

 

 

１．祝祭

⇒ＨＰ《ミトラ教の年中行事》

 

 

２．信仰綱領

⇒ＨＰ《ミトラ教の信仰綱領》

 

 

３．背景

⇒ＨＰ《現代イランの新異教主義とミトラ教》

 

 

４．書籍

ケウル−ミトラ聖典　MIIBOAT Books、2006

　最初に読むべき本。もっともよくまとまっており、最新の知識が得られる。

 

タロット大事典　国書刊行会、1996

　タロットのカードをイラン＝クルド風の幻視物語として読み解いている。ケウルの次に読むべき本。

大アルカナの物語の下地になっている聖詩『東方ダウル詩』の完全訳は、『ケウル−ミトラ聖典』に載せてある。ボゴミール＝カタリ派の『秘密の書』『ティベリアス湖伝説』『イザヤの幻』の完全訳も載せてある。

 

ミトラ神学　国書刊行会、1996

　副タイトル「古代ミトラ教から現代神智学へ」における「現代神智学」は近代エソテリシズムでも東方神智学でもなく、これらを越えた新たな「普遍神智学」をさしている。西方ミトラ教、東方ミトラ教、東方神智学（シーア派神智学）、ブラヴァツキー神智学が共通の神話と教義哲学を持っていることを説き、その共通パターンこそが教えの本質であることを説いている。ミトラ教の神智学を学ぶことができる。この本を出版した当時、秘密教義とミトラの秘儀は通信講座�Uの中でのみ教えることにしていたので、本書では言及されていない。

 

バビロニア占星学とアラビックパーツ　MIIBOAT Books、1997

　天使七星学、すなわちミトラ教の秘教占星学の基礎を学ぶことができる。この本では、七宝を使ったホロスコープ解読の基本を学ぶことができる。

 

詳解ミトラ教の秘教占星学　MIIBOAT Books、1998

　天使七星学、すなわちミトラ教の秘教占星学の基礎を学ぶことができる。この本では、西方ミトラ教の七曜神、七光線、星座、ハウス、アラビックパーツ、アスペクト、惑星瞑想、チャクラを学ぶことができる。この本では、七光線の基本を七曜神と惑星瞑想により理解することができる。さらに七光線のブレンド（混合・相互作用）がどのようなものかをアスペクト解釈を通して実践的に学ぶことができる。この本に七大天使は登場しないが、七曜神、七大天使、七光線は、ワンセットをなしているので、この本で学んだ七光線の使い方は、さまざまに応用できる。『ミトラ神学』『バビロニア占星学とアラビックパーツ』『詳解ミトラ教の秘教占星学』の三冊を読めば、ミトラ教神智学の基礎を身に付けることができる。

 

シークレット・ドクトリンを読む　出版新社、2002

　『シークレット･ドクトリン』は『霊知の書』の注解という形態をとっている。この本は、『霊知の書』の全訳にブラヴァツキーの注解抜粋と東方神智学による注解を併記したものである。神智学に関心のある人にお勧めする。

 

ミトラ神学研究辞典　ミトレーアム･ジャパン、2005(2002)

　この本は、ミトラ教の主要神格、宗派、神学・神智学・天使七星学の専門用語を網羅した辞典である。Ａ４で４４７ページ。MIIBOAT BooksのＡ５サイズに換算すると、約１１２０ページ。基本用語１５００語を収録している。秘密教義についての解説も充実している。

 

 

 

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